「ニコラ・ビュフ: ポリフィーロの夢」 原美術館
はじめてニコラ・ビュフの作品に出会ったのは
2008年に東京都現代美術館で行われた「屋上庭園」とうグループ展でした。
四方の壁がニコラ・ビュフの緻密なようでいてラフな白黒のグロテスク文様で埋め尽くさた部屋。
当時ちょうど象徴や文様を勉強していたこともあって、
現代アートの中にしっかりそれらが見て取れたことに興奮し、
いつまでもその部屋で壁の細かい絵柄に見入っていたのをはっきりと覚えています。
あ~これってタロットカードの運命の輪みたい!ということはこの壁ってもしかして!
とかひとり静かに大騒ぎ(笑)。
解釈があっているかどうかは別としてそう思いめぐらせられることがとても楽しかったのです。
とは言えその時は彼の名前は覚えられずにいたのですが、
何年後かにMegumi Ogita Galleryを訪れた際に所属作家?として彼のポートフォリオに出くわし、
「あ!これはあの時の!!」と再びの出会いを果たしました。
それからははっきりと名前も覚えファンと公言しています(誰に?)。
そのときに初めて彼がルネッサンスやバロックなどの伝統文化と
現代のポップカルチャーを融合した作品を作られていることを認識しましたが、
それがより好きになる要素でした。
伝統文化だけであれば最初の出会いの時もそう興奮しなかったと思います。
現代アートの中に見て取れるところ、融合しているという点がとても好みなのです。
私は趣向として混ぜたりコラボしたりすること・ものにとても惹かれるようです。
たとえばインテリアなら和洋折衷なものとか。
そんなこんなでとても楽しみにしていた今回。
楽しみを最終日までとっておきすぎて混み合っていましたが堪能してきました。
この展示は「ポリフィーロという少年が愛するポーリアを助けに行く冒険ものがたり(夢おち)」
というのを前提に知った上で楽しみます。
その話を展示を見ながら体験しながら進んでいく構成になっています。
大きな口をくぐって冒険の開始です。
しょっぱなから私の大大大好きな貴婦人と一角獣のタペスリーを参考にしたという
ユニコーンの皮が出迎えてくれます。
説明聞かなくてもこれはもしやーーっ!?と大興奮。
やはり彼とは趣向が合います(笑)
他にはテレビゲームのように自分の動きと画面が連動して敵と戦える部屋や、
瞑想できるカプセルに入れるなど体験できるものもあり、子供もたくさん楽しんでました。
最後の凱旋の部屋は、私が最初に出会った四方グロテスク文様だったあの時を彷彿とさせる部屋。
天井まで絵が描かれているワクワクする空間。
そして原美術館の構造を利用して最後は窓の外に寝ているポリフィーロを発見。
夢おち。。。
なんという素晴らしい締めでしょう。
なんだか小学生の日記のような説明になってますが、
「まじめに遊ぶ」がキーワードという今回の展示は本当にその通り。
子供から大人まで楽しめるものでした。
スタッフも物語の衣装として赤いマントをしていて、それもまた可愛くて遊び心があって素敵でした。
私も着たかった~っ。
やはり彼の伝統とポップカルチャーと遊び心のある作品は魅力的ですね。
あらためてファンですと公言したいと思います。
ちなみに彼は今年のエルメス限定スカーフのデザインも手がけています。
だれか~
この展示は九州のみ巡回するようです。
行けるチャンスのある方はぜひ!
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