本当のまっくらやみ。って

pianoblue
昨日のブログのタイトルは
「強さを秘めたひとつぶ。」でした。

じつは3日間ぐらい、
ブランド名は「hitotsubu」だったんです。
誰も知らない3日間(笑)

それは光の種がひとつぶでも見つけられたら、
あとはそれを増やしたり育てたりして、
落ち込んでも人はまた復活できる。
その光の種ひとつぶを作っていきたい。
そんな思いからでした。


アクセサリーを本格的に作り始める少し前、
仕事も夢もうまくいかなくて、
恋愛に関してはもはやそれどころじゃなくて、
とにかくまっくらやみにいるような時期がありました。

生き生きとした人の励ましの言葉も、
キラキラとした人の笑顔も、
気持ちのいいはずの青空さえも、
自分とかけ離れすぎていて、まったく心に響かない。
むしろ向き合いたくない。

でも、もっと自分の人生を良くしていきたい。
その気持ちはあるんです。
しかもずうずしくも理想が高い。
だからこそ、できない自分が嫌でつらい。
そんな日々でした。

あるとき夜中に目が覚めて、
眠れなくてただただ目を開けて、
真っ暗だなって思って、
ひとりだなって思って、
でももう涙もでなくって、
ただただ目を開けてて。

そしたら、目が慣れてきて、
徐々にカーテンから光りがふわ~っと浮き出てきて、
優しく優しくふわ~っと浮き出てきて、
まるで窓一面が薄いブルーの抽象画のように。

何もやる気が起きない日々だったのに、
そのあまりの美しさに、慌ててベッドから起き上がり、
カメラでシャッターを切り始めました。

なぜか泣きながら撮っていたので
まったくうまく撮れていなかったのですが、
その光をみて、心がまた動き始めたんです。
大丈夫。また頑張ろう。
そう思えました。

※上の写真はのちに、その時を思い出して撮影したものです。
PianoBlueというタイトルでグループ展で展示した中の1枚。

本当のまっくらやみ。
日常にそうそうないんです。
たいていうっすらとでも光りがあって、
目を少しでも開けていれば
それに気がつけるときがきます。

でもまっくらやみだって思っている時に、
強い光は響かない。
まっくらやみから急に眩しい光を見たら、
誰だって目を背けますよね。
優しい優しい光がひつようなんです。

そんな誰かの光の種になるような。
閉じた心の隙間にもそっと響くような、
そんな作品をつくりたい。

それまではただただ「自分を表現したい」それだけだった私が、
誰かのことを考えて表現していこう。
そう新しく自分のテーマを見つけた日でした。


昨日のブログを書いて、
あらためてその日のことを思い出しました。

このテーマはアクセサリーに限らずの私の大きなテーマですが、
アクセでヴィンテージ素材などを使用している理由のひとつも
実はそこにあります。

時代を経た、経験を積んだ分の深み。
元気なときもそうでないときも
すべて受け止めてくれるような包容力。
いつでもどんな状態でも寄り添える、
古いものにはそんな深みを感じるからです。
もちろん個人的趣向もありますけどね(笑)

新品のキラキラした眩いばかりの輝きも素敵です。
でも時にそのまぶしさに気持ちが負けてしまうこともあります。
身につける人がいつでも心を寄り添える、
そんなアクセサリーを。

今日は良い原点回帰になりました。

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